特別加入制度とは、労働者以外の方のうち、業務の実態や、災害の発生状況
からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一
定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度です。
特別加入できる方の範囲は、中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・
海外派遣者の4種に大別されます。
労災保険は、日本国内で労働者として雇用され賃金を受けている方を対象と
しています。その為、事業主・自営業主・家族従事者等労働者以外の方は労
災保険の対象にならず、業務により負傷した場合等でも労災保険給付を受け
ることは出来ません。しかし、例えば中小企業の場合、事業主も労働者と同
様業務に従事する場合が多いこと、また、建設の事業等の自営業者は、いわ
ゆる一人親方として、労働者を雇用せずに自ら業務に従事する為、これらの
方の業務の実態は労働者と変わらないことから、労働者に準じて保護するこ
とを目的としています。
また、労災保険の適用については、法律の一般原則として属地主義がとられ
ていますので、海外の事業場に所属し、その事業場の指揮命令に従って業務
を行う海外派遣者に関しては、日本の労災保険法の適用はありません。
しかし、諸外国の中には、労災補償制度が整備されていなかったり、仮に労
災補償制度があったとしても、日本の労災保険給付の水準より低く、また、
給付内容がまちまちで、日本国内で労災を被った場合には当然受けられるよ
うな保険給付が受けられないことがありますので、海外での労災に対する補
償対策として設けられています。
N.M
2017.04.06