*やっぱり「誠実な人」がうまくいく* 著者 植西 聰
転職する際の面接時をはじめ、自分を売り込もうとするとき、たいていの人は自己PRに躍起になると思います。
「私には○○という資格があります」
「私は会社でこんな業績を挙げてきました」
「私にはこんなスキルがあります」などなど。
それは大いにけっこうですが、時には失敗を語れる人間になるといいと思います。
出版社から別の出版社へ転職を図ったある若手男性編集者がそうでした。
職務経歴書に次のようなことを記したところ、すんなりと採用が決まったというのです。
「私は『柳の下のドジョウ』戦略を真に受け、ベストセラーになった本のタイトルと装丁を真似た本を作り、
まったく売れず大赤字を出したことがありました。以来、『柳の下にドジョウは二匹いない』と心がけ、オリ
ジナリティを追求しています」
つまり、採用担当者は、
「転職するとき、どの人も前の会社でこれだけの業績を残したとアピールするが、この青年はバカ正直に、あ
えて不利になることも記した」
「失敗を教訓にしているのだ。学習能力がある証拠かもしれない」
という点に誠意を感じ、評価したのです。
これを就職に限ったことではありません。
人は知識や教養や実績をひけらかす人よりも、失敗を素直に認め、正直に語る人に興味・関心・共感を示し、
好意を寄せるものなのです。
失敗談から、人の考え方やその人の性格も見えてくるかもしれません。
アピールのみで採用されても、本来の自分が採用後に少しずつ分かることとなり、話と違うじゃないか・・・
ということは良くあります。
「誠実であること」の大事さが感じられる瞬間ですね。
マナー講座<勉強会資料より> 担当FH
2016.12.07