*やっぱり「誠実な人」がうまくいく*著者 植西 聰
『新・平家物語』や『宮本武蔵』などを著した作家の吉川英治さんは、読者からサインを求められると
必ずと言っていいほど、次の言葉を記したといいます。
「万象我が師」
その根底には、
相手が誰であれ、”この人は自分よりも優れている”という気持ちを抱くように努めれば、謙虚な気持ちで
誠実に生きられる。
という思いがあつたからです。
たとえば、町中にある八百屋さんに買い物に行ったとします。
このとき、一般の人は「旬の野菜の中で一番食べごろは何か」と言ったことは、
素人なので判断がつきません。
しかし、八百屋の主人ならば、その道のプロなので判断がつきます。
「その意味で、八百屋の主人は自分よりも博学で、教わることも多々ある。だから、師匠である」
と吉川さんは言うのです。
スポーツジムに通っていて、ヨガの指導を受けたとしたら、そのインストラクターは自分を健康体に
導いてくれる師匠なのです。
料理が得意な友達に、料理の作り方を教えてもらったとしたら、友達は自分の師匠になるのです。
そんなことを自覚すれば、他人をさげすむことはなくなり、腰の低い謙虚な人間として誠実に生きられる
ようになるでしょう。
自分の得意とするもの、不得意とするもの、皆さんそれぞれ異なり、相手や周りの誰かの助けや支えで
私たちは生きています。
自分を守り、相手も守り、支えていただく周りを守るということは、毎日を誠実に謙虚に生きなければ
そんな大事なこともできないように思います。
まして多くを欲張ると、何も守ることさえできないのではないのか・・・と最近感じるのです。
マナー講座<勉強会資料より> 担当 FH
2016.07.20