*やっぱり「誠実な人」がうまくいく*著者 植西 聰
知らないものは「知らない」と言った方がいいのですが、同様にできないことは「できない」
とハッキリ言った方がいい場合もあります。
その好例として、ある女性の話を紹介しましょう。
彼女はフリーでグラフィック・デザインの仕事をしていました。
その彼女にある広告代理店の部長が一大イベント用のポスターの制作を依頼したことがありま
した。
しかし、彼女はなんとその仕事を断ってしまいました。
かなりお金になる仕事であるにもかかわらずです。
その理由を彼女のアシスタントが尋ねると、彼女は次のように答えました。
「今、他の仕事で手一杯だし、ポスター制作の仕事は納期が短すぎる。もしかしたら、間に合わ
ないかもしれないし、デキの悪い仕上がりになるかもしれないと思ったからよ」
このことを知った広告代理店の部長は怒るどころか、
「彼女は信用できる」・・・と褒めたたえたと言います。
「できない」と言って断ると、信用を失うと思う人もいるかもしれませんが、けっしてそんな
ことはありません。
何でもかんでも請け負って、締切や納期を守らなかったり、いい加減な仕事をするほうが、は
るかに信用をなくします。
したがって、急な仕事を頼まれたときや、無理難題の頼みごとをされたときは、状況に応じて
時には「申し訳ありませんできません」と言ってもいいのです。
すべてがそのほうがいいわけではなく、「できない」という言葉は「正直で誠実な証」になる
場合があります。
自分の経験の中にも、やはり、依頼者がお困りの中相談いただきお仕事をお願いされる場合が
あります。すべてをお請けできるのが一番ですが、自分もまた他の者も手一杯の上、そこに
退職者がでますと依頼者の満足のいただけるサービスができるのか・・・・
とお断りの言葉をお伝えするしかない状況も多々あります。
まさにせっかくのお仕事のご依頼・ご紹介をお請けできないことは誠に残念なことです。
しかし、誠実に気持ちをお伝えし理解していただくことを心がける時もあります。
マナー講座<勉強会資料より> 担当 FH
2016.10.03