*やっぱり「誠実な人」がうまくいく* 著者 植松 聰
大正時代の話です。
ある新聞記者が元内閣総理大臣で元老の地位にあった山縣有朋に取材を申し入れたことがありました。
そして、取材当日、その新聞記者は山縣と名刺交換したのですが、山縣から受け取った名刺を見て、
驚きの表情を隠さずにはいられませんでした。
なぜなら、名刺には次のような肩書が記されていたからです。
「吉田松陰先生一門下生 山縣有朋」
総理大臣を経験し、元老の地位にあっても、「幕末、松下村塾で松陰先生の指導のもと、勉学に励んだ
ころの初心を忘れてはならない」
という意味合いが込められていたのです。
現代における一般的な会社員は、入社当時は誰もが平社員です。
年齢と経験を重ねていくにつれ、係長、課長、部長、取締役と出世していき、ベテランの域に達する
ようになります。
しかし、ときにはそれに伴い、駆け出しのころの自分を思い出すように努めることが大切です。
「入社当時は、人と会っても、緊張しっぱなしで満足に会話できなかった」
「あのころは、プレゼン資料の作成も満足にできなかった。よく上司から叱られたものだ」
そうすれば、傲慢な自分を戒めることができるため、自ずと謙虚になり、腰が低くなります。
その結果、誠実な人という印象を持たれ、多くの人から好かれるようになるのです。
・・・最初から人に好かれようと意図しての行動や言動は、表面的なことに重視するため、
本音と建前が真逆のように異なり信頼されない、という場をいくつも見てきました。
やはり、大事なことは、自分が何を大事にして生きるのか?
難しいことではなく、例えば、いっとき恥をかいても、ダメな自分を認め、覚悟を決め自身の弱さと
向き合い超えていくこと。
そんな姿勢が周りに、信頼を得ることもあるのではないでしょうか・・・。
マナー講座<勉強会資料より> 担当 FH
2016.08.25