*やぅぱり「誠実な人」がうまくいく* 著者 植松 聰
誰に対しても正直になるためには、まず自分を大きく見せようとしないことが大切になります。
わかりやすい例として、東南アジアに古くから伝わる民話を紹介しましょう。
あるとき、1匹のキツネが山道をとおりかかったら、ケガをして倒れているトラを見つけました。
キツネがトラの頭を踏んだ途端、トラはそのまま息を引き取ってしまいました。
翌日、キツネは森の小動物たちを集め、自慢げにこう言いました。
「私は昨日、トラと決闘して勝った。私は強いのだ」
すると、リスがこう言いました。
「それならばキツネにお願いがある。最近、私が暮らす森にトラが出没して困っていたところだ。
早速、決闘してやっつけてはくれないか」
リスからこう言われたキツネはオドオドしっぱなしで、いっこうにトラと戦おうとはしません。
そのうち「あいつは口先だけの奴だ」ということで、誰からも相手にされなくなってしまったのです。
私達人間も、見栄を張るなどして、自分を大きく見せようとすることがあります。
しかし、その時は良くても、その後、ほころびが出ないように取り繕うことばかり考えるようになります。
そうなると、神経をすり減らすばかりで、気も休まらなくなります。
ましてや、それが「はったり」だとわかったら、周囲の人からも信用されなくなります。
したがって、無理に背伸びをして、自分を大きく見せる必要はないのです。
自然体のままでいいのです。
そうすれば、誰に対しても無理なく接していけるようになり、何よりも正直で誠実な人という印象を抱いて
もらえるようになるのです。
できもしないことを約束することがあるでしょうが、度重なると誰も信用しなくなります。
自分で自分の首を絞めているようなものです。
自分のあるべき姿をありのままの自分を皆さんは見せていますか?
マナー講座<勉強会の資料より> 担当 FH
2016.09.13