離婚に伴う財産分与の内容として、状況に応じて贈与税が課されることがありうるのです。
国税不服審判所にて平成25年7月に次のとおり裁決されました。
請求人は、滞納者である夫との協議離婚に際して財産分与として不動産を譲り受けたが、原処分庁は、財産分与は国税徴収法第39条で規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当するとして、請求人に対して第二次納税義務の納付告知処分をしたのに対し、請求人は財産分与が不相当に過大ではないとして納付告知処分の取り消しを求めた事案で、国税不服審判所は通知処分適法であるとして請求人の主張を退けた。
(審判所の判断)
離婚における財産分与が同条に当たるか否かは、夫婦双方がその協力によって得た財産や夫婦それぞれの財産の額、並びにこれらの財産の形成への協力や貢献の状況等、婚姻期間の長短や婚姻期間中の生活状況等、離婚後の扶養の必要性、離婚の原因等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素、慰謝料的要素に相当する額を算定した上で財産分与が不相当に過大か否かを判断するのが相当で、今回のケースであれば、財産分与時点における夫の特有財産は債務超過の状態にあり、相続により財産分与の約3年前に取得したもので、婚姻期間中の夫と請求人の協力によって、夫の特有財産の価値が維持・増加したと認めることはできない。
また、請求人の財産分与における不動産の価額は、財産分与相当額の8倍以上であるため、徴収法第39条が規定する「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」に該当する。
(国税不服審判所HP 公表裁決事例 抜粋)
担当:K
2014.04.23