毎年秋に健康診断を実施している企業も多いのではないでしょうか。従業員の健康管理が強く
求められていることから、健康診断については実施後の措置も含めて確実に行っておきたいもの
です。
1.健康診断の実施対象者と実施項目
健康診断は、1年以内ごとに1回(但し、深夜業労働者や有機溶剤を用いて作業をする労働者等
は6ヶ月ごとに1回)、定期に実施しなければならないとされています。健康診断の実施対象者は、
雇い入れ時の健康診断と同様に、常時使用する労働者とされており、正社員だけではなく、パート
タイマーやアルバイトであっても、以下の要件のいずれにも該当する場合には実施することになっ
ています。
1)期間の定めのない者や契約期間が1年以上である者、契約の更新により1年以上使用されること
が予定されている者、既に1年以上引き続き使用されている者
2)1週間の労働時間数が、その事業場の通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上である
者
次に、健康診断の実施項目としては、以下の11個が挙げられています。(但し、医師が必要でな
いと認めるときに省略できる項目あり)
1)既住歴及び業務歴の調査
2)自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3)身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
4)胸部エックス線検査及び喀痰検査
5)血圧の測定
6)尿中の糖及び蛋白の有無の検査
7)貧血検査
8)肝機能検査
9)血中脂質検査
10)血糖検査
11)心電図検査
2.健康診断実施後に求められる対応
健康診断を実施した後は、健康診断個人票(様式第5号)を作成し、5年間保存しておくことが
求められます。また、事業場単位で常時50人以上の労働者を使用している場合、遅滞なく定期健
康診断結果報告書(様式第6号)を所轄の労働基準監督署に提出することとされているので、忘れ
ずに届出を行いましょう。
また、健康診断の結果に異常所見が認められた場合は、医師の意見聴取を実施する必要がありま
す。その意見を健康診断個人票に記載しておくのですが、これを怠っていると労働基準監督署の調
査があった場合、是正勧告が行われる事例も多くなっているので、今一度、健康診断個人票を確認
しておきましょう。
N.M
2016.09.06