先日、精神障害に係る労災請求状況に関する平成27年度の集計結果が
厚労省より発表されました。
1、脳・心臓疾患の労災補償状況
請求件数は前年と比較し32件増加の795件。一方、支給決定件数は
前年と比較し26件減少の251件。
この支給決定件数を時間外労働時間数(1ヵ月平均)別で見ると、
80時間以上が225件と全体の9割を占め、この結果から月の時間外
労働が80時間を超えると身体に悪影響を及ぼす可能性が高い事が
わかる。勿論、80時間を超えなければ大丈夫という事では決して
ないが、長時間労働のある会社は第1段階として、この80時間を目
安に対策を打っていく事が求められる。
2、精神障害の労災補償状況
精神障害の労災請求状況は前年と比較し59件増加の1515件となり、
過去最多を更新。支給決定件数は前年と比較し25件減少の472件。
この支給決定件数を時間外労働時間数(1ヵ月平均)別で見ると、
80時間以上が192件(全体の40%)、80時間未満が202件(全体の
42%)となり、時間外労働時間数が少ないからといって労災とし
て認定されないわけではないことが読み取れる。
次に支給決定件数を具体的な出来事別に分類すると、上位項目は次
のとおりとなる。
1)仕事内容・仕事量の大きな変化
2)嫌がらせ・いじめ等
3)事故・災害等を体験又は目撃した
精神障害の中で労災認定された要因としては、仕事の変化と嫌がら
せ等いわゆるパワハラが上位を占めている。その為、仕事内容及び
人間関係等において大きな変化がある時は、先ずは、定期的に面談
を行い、本人が過度に負担となっている部分はないかどうか確認す
る必要がある。
N.M
2016.07.29